ついに20巻。とうとうここまで来てしまった。
初読時、「火輪の王国が長かったからやっと1巻で完結のやつだ!箸休め的なやつかな?」と勝手に思ってたけど、全然そんなんじゃなかった……
火輪の時とはまた別の種類の疲れが押し寄せた。
ミラージュのタイトルってヴィジュアル系バンドの曲のタイトルか歌詞に出てきそうなの多くない?
「十字架を抱いて眠れ」って「理想を抱いて溺死しろ」みたいな語呂の良さがありますね。
今回ビックリしたのが、主な登場人物の紹介も作者のあとがきも、もちろん挿絵も全部なかったってこと。
なんで?まぁ内容が内容だし…
今回は今までのとだいぶ違う異質な巻でした。
美弥ちゃん
初っ端から泣かせてくんなよ…
冒頭、まどかって女の子が出てきて「お?もしかして今度こそ主人公交代?」って思ったけど、美弥ちゃんの友達だった。
そういえばそうだった。
美弥ちゃーーーん!!久しぶり!!
兄の声をいつでも聞けるようにとバイト代で携帯買った美弥ちゃん健気すぎる…
兄を心配する美弥ちゃん、一生懸命慰めるまどかちゃん、どちらもいい子すぎて泣けてくる。
初読時、「うおー高耶さん出てきた!でも声が出ないということは、あの炎で喉やられたの?」って思ったけど違ったね…
もうあの頃の生活に戻ることはできないの…?
なんで…こんな妹想い&兄想いな兄妹を引き離すの!?
こんなハッキリと別れの挨拶言っちゃうとか、もう二度と会えないの!?
美弥ちゃんもう登場しないの!?嫌だ…
もうこの巻丸々一冊、高耶さんと美弥ちゃんがずっとデートするだけの話でいいよ…
ずっとこの兄妹の微笑ましいやり取り見ていたかった…
生存確認
「鮎川?は?お前誰やねん」って思ったら直江の友人か。
そして直江、生きてた!!
そりゃせっかく生き返ったのにまた死ぬとか意味なさすぎるもんな。
大友宗麟死んだんか…あんまり出番なかったし、直江の前だと態度悪かったのと、あれがヤマタノオロチじゃなくて鬼八の首ってこと全然信じてくれなかった面倒くさい奴ってことしか覚えてない…
八海死んだの?嫌だ…八海のこと熊本編でじわじわと好きになってきたから、もっと活躍を見たかったんだけど!!
綾子さんが一応無事なのは嬉しかったけど、千秋は…!?
「俺がいんだろうが。」のところ、本当にかっこよかったな…
逆にあそこで千秋に落ちない人いる?あそこで読者全員千秋の女、千秋の男になっただろ…
もう二度と転生できないなんて、本当に残り20巻千秋無しで読まなきゃいけないの?
八海はワンチャン生きてるかなぁって思えるけど、千秋に関しては絶望的すぎて…
どうか生きててほしい…!!!お願い生きててください!!!
生きてた
描写が難しくて一発では理解できなかったけど、高耶さん生きてた。幽霊じゃなかったね!
でもこの高耶さん、正直見ていられない…
小太郎を直江と思い込んでいたあの時も見ていられなかったけど、今はそれ以上だ…
まさか鬼八がこんなに引っ張るとは思わなかったよ!
だから表紙の高耶さんのオッドアイだったのか。
眼で見ただけで殺せるって、多分誰もが一度は妄想したであろう厨二病な技だけど、今の高耶さんにはそんな厨二病要素いらないんだよ…!!
余計に精神をボロボロにさせるだけなのに…!!
(このひとがなにをしたというんだ…)
高耶は人形のように立ち尽くす。
(ただひたむきに生きただけだろう!)
直江と気持ちが完全にリンクした…
もう十分苦しんだんだから、これ以上はもうやめて…
2人とも肉体よりも精神がボロッボロ!
もうやめてあげて!2人のライフはゼロどころかマイナス!
作者、鬼か!?
蜜月
ミラージュって場面がパッパと目まぐるしく変わっていくのが特徴(だから読むのが大変なんだけど)のはずなのに、今回はずっとこれ。
ただこの2人の空間がずっと続くだけ。
もはや名物と化してる直江のクソ長いメンヘラモノローグはいつも通りだけど、次の章に入っても場面チェンジしないから「!?」ってなった。
ページをめくってもめくってもこの2人きりの世界。長いモノローグ。
「すごい…これ、相当なエネルギーが必要になるな…」って途中から覚悟の準備をしました。
精神的精子のくだりは理解できるようなできないような…うん、分かんない!!
怯える高耶さん、きっと北条時代に男達に輪○されたトラウマ思い出したのかな…?
直江って北条時代の景虎様のことは知らないよね?
精神の生殖云々のくだりはなんか哲学的で難しい。ここらへんは、あと10回くらい読み返さないと理解できない気がする。
この2人って交わるのは初めて?
なんかもう生前で既にやってるもんだと勝手に思ってたけど、この2人って生前はそこまで面識なかったの!?
普通のBL作品だったら、初めてだろうと関係なくトロトロで気持ちいい…♡(ビクンビクン)みたいな感じなのに、高耶さんはめちゃくちゃ痛そうで「え?痛いの?可哀想…」ってなった。
やっぱりミラージュのこの2人だったら、苦しみながらの方が似合ってますな。
名前を呼ぶところ、「景虎様」じゃなくて「オウギタカヤ」なのがよかった。なぜかカタカナだったけど。
直江、俺はあなたのものって言ったり、あなたは俺のものって言ったり、どっちなん?
「あなたは、もう俺だけのものだ」って言う直江と、「この男は、オレのものだ」という高耶さん、同じこと考えてるのなんかおもろいな(笑)
千の夜どころか十五万の夜をこえて、想いを伝える2人の姿は胸にくるものがあった。
真相
直江はなぜ真実を語ろうとしないのか、謙信の考えを今はまだ言えない?どういうこと?高耶さん本人にすら知らない隠された秘密があるってこと?
って思ってたけど、ラストでついに真相が!
魂の死を免れるには調伏するしかない。謙信は直江にその役目をたくしたのか…
わが息子・景虎のことを。
そういえばそうだった!
ごめん、謙信悪い奴じゃなかった!
今まで闇戦国の首謀者だろうなってめっちゃ疑ってた!
ちゃんと景虎様のこと大事な息子だって、北の守護神を継ぐ者ってちゃんと覚えてた!
じゃあ謙信はどこへ行ったの?
まとめ感想
だからなんちゅー終わり方するんだよ!!桑原先生!!!
美弥ちゃんとさよならバイバイした後は、ずーーーっと2人だけの蜜月な世界で終わった…
高耶さんが直江にこんなにハッキリと「愛してる」って言ったの、何気に初めて?
なのにさよならなんて…
直江が「景虎様」じゃなくて頑なに「高耶さん」呼びだったのがよかったなぁ。
高耶さんと直江の関係・感情が未だに理解できない部分があって、分かるようで分からないというのをひたすら繰り返してる…再読なのに!(笑)
でも1回目と比べたら、2回目の今の方がほんのちょっと理解できてきてる気がする。
↓自分の初読時感想ブログ読み返すと、すごく一生懸命2人のことを理解しようと頑張ってた(笑)

確かに当事者だったら絶対嫌だけど、神視点で見てる分だとめちゃくちゃ面白いよなこの2人って。
結局彼らにとって『最上』のあり方ってなんなんだろうか。
あと、知らない間に高耶さんが高校中退してたのが地味にショック…
もう仰木高耶としての生活には二度と戻れないってこと?
高耶さんのささやかな将来の夢が絶望的に… 応援してたのになぁ。
今振り返ると、城北高校が懐かしい。森野さんとか今何してるんだろう。
私のミラージュ再読もここで終わり。
次からは未知の世界…
21巻からどんな展開なんだ…